プレコを飼育していると、突然元気がない様子で心配になることがありますよね。
水槽の底でじっとして動かなかったり、エサを食べなくなったりすると、病気や不調ではないかと不安になる方も多いでしょう。
プレコの元気がない原因は、水質悪化や水温の急変など多岐にわたります。
正しい原因を見極め、適切な対処法を講じなければ、取り返しのつかない結果を招く失敗や後悔につながる可能性があります。
この記事では、プレコが元気ない時の原因と対処法を網羅的に解説することで、プレコの不調にいち早く気づき、適切な対策を講じられるようになります。
以下について理解を深められます。
・水質や水温の適切な管理方法
・病気の症状と初期段階での治療法
・プレコの薬に対する注意点と安全な対処法
プレコが元気ない時の原因とチェックポイント
- プレコが元気ない原因と対処法
- 鼻上げやエサを食べない原因と対処法
- プレコの病気の原因と見分け方
- 尾ぐされ病の初期症状と対処法
- 白点病の治療法と予防策
- 水カビ病や他の寄生虫への対処法
プレコが元気ない原因と対処法
プレコが元気がないと感じる場合、いくつかの原因が考えられます。
主に水質悪化、水温の急変や急激な変動、そして酸欠が挙げられます。
プレコは比較的丈夫な魚ですが、特に急激な環境変化には非常に弱く、体調を崩しやすいです。
そのため、まず飼育環境の確認と改善を行うことが大切になります。
例えば、水槽の水を測定し、水質や水温が適切な範囲内にあるかを確認しましょう。
水質が悪化しているようであれば、適切な水換えを実施することで改善が見込めます。
また、もし水槽内で鼻上げ(水面で口を水面に出して泳ぐ)をしている場合は、水質悪化や酸欠のサインである可能性が高いです。
これらの兆候が見られた場合は、早急な対処が必要です。
鼻上げやエサを食べない原因と対処法
プレコが鼻上げをしている場合やエサを食べない時は、いくつかの原因が考えられます。
まず、鼻上げは水質悪化や酸欠のサインです。
プレコは本来、底層を好む魚ですが、水中の酸素が不足すると水面近くに上がってきて呼吸をしようとします。
そのため、この行動が見られた場合は、すぐに水換えを行ったり、エアレーションを強化したりして、水中の酸素濃度を高める必要があります。
一方で、エサを食べない場合は、病気やストレス、あるいは単純なエサ不足が考えられます。
プレコは底床のコケを食べる魚なので、水槽内にコケがないとエサ不足になることがあります。
この場合、プレコ用のタブレット状のエサを与えることで改善される可能性があります。
しかし、他のプレコとの縄張り争いに負けてエサにありつけないケースもあるので、混泳させている場合は注意深く観察することが大切です。
プレコの病気の原因と見分け方
プレコの病気の主な原因は、水質悪化や水温の急変による免疫力の低下、他の魚からの感染、そして外部から持ち込まれた寄生虫などが挙げられます。
プレコは丈夫な魚ですが、これらのストレスが重なると病気にかかりやすくなります。
病気を見分けるためには、日頃からプレコの様子をよく観察することが重要です。
たとえば、ヒレや体に白い斑点がないか、ヒレが溶けてボロボロになっていないか、鱗が逆立っていないかなどを確認しましょう。
また、体表が赤く充血していたり、綿のようなものが付着していないかもチェックポイントです。
これらの異変に気づいた場合は、病気の可能性を疑い、早めに対処することが大切です。
尾ぐされ病の初期症状と対処法
尾ぐされ病は、ヒレの先端が白くなり、次第に赤く充血し、最終的にヒレが裂けてボロボロになる病気です。
この病気の原因は、水槽に常在するカラムナリス菌への感染であり、水質悪化や急激な水温変化によるプレコの免疫力低下が発症の引き金となります。
尾ぐされ病の初期段階であれば、0.5%濃度の塩水浴が有効な対処法とされています。塩水浴は、魚の体力を回復させ、自然治癒を促す効果があります。
しかし、症状が進行している場合は、薬浴を検討する必要があります。
薬浴を行う際は、プレコが薬に弱い性質を持つため、規定量よりも薄めの濃度で使用することが大切です。
また、病気の進行は早いので、初期症状を見つけたらすぐに隔離し、治療を開始することが推奨されます。
白点病の治療法と予防策
白点病は、プレコが特にかかりやすい病気の一つで、水温の急激な変化によって発症することが多いです。
ウオノカイセンチュウという寄生虫が体に寄生することで、小さな白い斑点が体表に現れます。
治療法としては、まず水温を28℃以上に上げることで、病原体の活動を鈍らせることが挙げられます。
それに加えて、塩水浴や魚病薬の薬浴も効果的です。
薬を使用する場合は、アグテンなどの比較的刺激の少ない薬剤を選ぶと良いでしょう。
白点が消えた後も、病原体のライフサイクルを考慮して数日間は治療を続けることが大切です。
予防策としては、水温を常に25℃以上に保つこと、そして定期的な水換えで水質を良好に保つことが非常に重要です。
水カビ病や他の寄生虫への対処法
水カビ病は、プレコの体表に綿のようなカビが付着する病気で、怪我をした箇所から感染することが多いです。
対処法としては、まずピンセットなどで水カビを慎重に取り除き、その患部に直接薬を塗ることで治療します。
また、水槽内のフンや食べ残しがカビの繁殖を助長するため、底床の掃除をこまめに行い、水槽を清潔に保つことが予防につながります。
一方で、チョウやイカリムシといった他の寄生虫に寄生された場合は、ピンセットで寄生虫を取り除いた後、水換えを行い、寄生虫除去剤で薬浴させます。
ただし、プレコは薬に弱いため、規定量の1/3から1/2程度の薄い濃度で薬浴させることが大切です。
いずれの寄生虫も繁殖力が強いため、短期で集中的に駆除することが重要となります。
プレコが元気ない時に試すべき具体的な対処法
- 水温と水質のチェック
- 水質悪化や酸欠を防ぐための対処法
- プレコの薬に弱い性質に配慮した治療法
- 水槽のレイアウトや水流の確認
- 拒食の原因とその対処法
- プレコが元気ない時の病気・不調対策まとめ
水温と水質のチェック
プレコが元気がないと感じたら、まず最初に行うべきは水質と水温のチェックです。
特にプレコは急激な環境変化に弱いため、これらの要素が安定しているかどうかを把握することが重要になります。
水温は20℃から28℃、pHは弱酸性から中性が理想的な飼育環境とされています。
しかし、水槽は時間の経過と共に硝化作用でpHが下がり酸性化する傾向があります。
そのため、こまめに水質検査を行い、pHが極端に低くなっていないか確認することが大切です。
水質と水温をチェックする際に役立つアイテムは以下の通りです。
項目 | 使用するアイテム |
水質(pH) | pH測定液、pH試験紙、デジタルpHメーター |
水温 | 水温計 |
水温が不安定な場合はヒーターを設置し、常に20℃以上を保つようにしましょう。
水質に関しては、水換えによって古い水を新しい水と入れ替え、pHを適切な範囲に戻すことが最も基本的な対処法です。
ただし、このときも急激な水質変化を避けるため、一度に大量の水を換えるのではなく、少量ずつ、あるいは週に2回程度の頻度で換水を行うのが良いでしょう。

水質悪化や酸欠を防ぐための対処法
プレコは他の魚と比較して多くの排泄物を出すため、水質が悪化しやすい傾向にあります。
そのため、定期的な換水は水質を良好に保つ上で非常に大切です。また、プレコは渓流などに生息している種類が多く、高い溶存酸素濃度を好みます。
もし水質が悪化したり、水中の酸素が不足したりすると、プレコは鼻上げを始めたり、体調を崩したりすることがあります。
このような事態を防ぐためには、エアレーションや水面付近に水流を作ることが有効です。
特に、水面を揺らすような水流は、空気中の酸素を水中に溶け込ませる再曝気効果を高めるため、水中の酸素濃度を効率的に上げることができます。
ろ過フィルターの排水口を水面に向けて設置したり、水中ポンプを設置したりすることで、水流を作ることが可能です。
また、水槽の底に溜まったフンや食べ残しは水質悪化の大きな原因になるため、クリーナースポイトなどを使ってこまめに掃除することも大切です。
プレコの薬に弱い性質に配慮した治療法
前述の通り、プレコは薬物に対して敏感な性質を持っています。
このため、薬浴による治療を行う際には細心の注意を払う必要があります。
薬のパッケージに記載されている規定量で使用すると、プレコにとっては濃度が濃すぎる場合があり、かえって体調を悪化させたり、最悪の場合死に至らしめたりする可能性があります。
したがって、プレコを薬浴させる際は、規定量の1/3から1/2程度の薄い濃度から始めることが推奨されます。
また、治療薬を選ぶ際には、アグテンなどの比較的刺激が少ない薬剤を選ぶと、プレコへの負担を軽減できます。
しかし、いくら低刺激な薬を選んでも、薬浴期間が長引くとプレコへの負担が増加するため、病状が改善しない場合は専門家への相談も検討すると良いでしょう。
水槽のレイアウトや水流の確認
プレコは岩の隙間などに隠れる習性を持つため、落ち着ける場所を確保することが重要です。
適切な隠れ家がないと、プレコは強いストレスを感じ、食欲不振や病気の原因になることがあります。
そのため、レイアウトには流木や石、プレコ専用の土管などを複数配置し、隠れられる場所を十分に確保しましょう。
特に複数のプレコを飼育している場合、縄張り争いを避けるためにも、個体数以上の隠れ家を用意することが大切です。
また、プレコの中には渓流などに生息する種類も多く、ある程度の水流を好む傾向があります。
水流は水中の酸素濃度を上げる効果もあるため、プレコがより快適に過ごせる環境を作ることができます。
しかし、あまりにも強い水流はプレコにストレスを与える可能性があるため、水中ポンプやフィルターの排水口を調整し、適度な水流を作るようにしましょう。

拒食の原因とその対処法
プレコがエサを食べない拒食状態に陥る主な原因は、病気、ストレス、そしてエサの好みが合わないことです。
病気や水質悪化が原因の場合は、まずそれらの問題に対処することが先決です。
しかし、特に問題が見当たらない場合は、ストレスやエサの好みが原因である可能性を疑うべきです。
ストレスは、新しい水槽に移したばかりだったり、他のプレコに縄張り争いでいじめられたりすることで発生します。
この場合、いじめられている個体を別の水槽に移すなどして、ストレスの原因を取り除いてあげましょう。
また、プレコは種類によって植物質の多いエサを好むものもいれば、肉食傾向が強いものもいます。
そのため、現在与えているエサがプレコの好みに合っていない可能性も考えられます。
この場合、複数の種類の人工飼料を試したり、冷凍アカムシのような生エサを与えてみたりすることで、食欲が回復する可能性があります。
プレコが元気ない時の病気・不調対策まとめ
- プレコの不調は水質悪化、水温の急変、酸欠などが主な原因
- 鼻上げは酸欠や水質悪化のサイン
- 水温は20℃から28℃を保ち、pHは弱酸性から中性が理想
- 尾ぐされ病の初期は塩水浴が有効
- 白点病は水温を上げて治療し、常に水温を安定させて予防する
- 薬浴は規定量の1/3から1/2の薄い濃度で
- 寄生虫はピンセットで除去し、薬浴は短期集中で対処する
- プレコは隠れ家を好むため、レイアウトを工夫する
- 拒食はストレスやエサの好みが合わないことが原因
- 他のプレコとの縄張り争いに注意する
- 定期的な水換えで水質を清潔に保つ
- エアレーションや水流で酸素濃度を高く保つ
- 常にプレコの様子を観察することが大切
- 症状が改善しない場合は専門家への相談を検討する
- プレコの健康管理には日々のチェックが欠かせない
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