プレコはメダカを食べる？混泳のポイントと注意点

プレコを飼育している、またはこれから飼いたいと考えている方にとって、プレコはメダカを食べるのか？という情報は大変気になるトピックではないでしょうか。

プレコとメダカの混泳は、一般的に可能とされています。

しかし、種類や環境によっては、プレコがメダカを攻撃したり、食べるリスクもゼロではありません。

このような不安を解消し、両者が安全に暮らせる水槽環境を整えるためには、混泳のポイントや注意点を事前にしっかりと把握しておくことが大切です。

この記事を読むと、以下の点が分かります。

プレコはメダカを食べる？直接的な捕食関係について

• プレコとメダカの混泳は基本的に可能か
• 健康なプレコはメダカを食べることは稀
• 稚魚や病気のメダカは狙われることがある
• 栄養不足で他の魚の体表を舐める行動
• プレコがメダカの卵や稚魚に与える悪影響
• 混泳のポイント：プレコの種類と温厚な個体選び

プレコとメダカの混泳に関して、「プレコはメダカを食べるのか？」という疑問を、ここでは詳しく解説していきます。

プレコとメダカの混泳は基本的に可能か

プレコとメダカは、飼育環境に十分配慮すれば、基本的に混泳が可能な魚だと言えます。

その理由は、両者の生活圏が異なる点にあるからです。

メダカは主に水面付近を泳ぎ、プレコは水底付近を泳ぐため、お互いに干渉しにくい性質があるのです。

このような棲み分けができることから、混泳できる魚のカテゴリに含まれています。

一方で、プレコは底層の掃除屋としての役割を担い、メダカは水面や中層を泳ぐことから、混泳によって水槽内の空間を効率よく使うことができるというメリットもあります。

多くの愛好家は、小型で温和な種類のプレコを選び、環境を整えることで混泳に成功しています。

ただし、混泳を成功させるためには、水槽サイズやプレコの気性など、いくつかの条件をクリアすることが大切です。

健康なプレコはメダカを食べることは稀

プレコがメダカを直接的に捕食することは非常に稀なケースです。

その主な理由は、プレコが主に藻類や植物質のものを食べる雑食性の魚であり、温和な性格の個体が多いからです。

彼らの食性と性質を考えると、積極的に生きた魚を狩る行動はほとんど見られません。

ただし、プレコの種類には注意が必要です。

たとえば、ブッシープレコやタイガープレコなど、小型で温和な種類は混泳に適していますが、セルフィンプレコのような大型種になると、成長に伴い攻撃的になる可能性も否定できません。

また、大型のプレコは、メダカとの体格差が大きくなることで、誤ってメダカを吸い込んでしまうリスクも生じます。

したがって、健康で適切な餌を与えられている小型プレコであれば、メダカを食べる心配は低いと言えるでしょう。

稚魚や病気のメダカは狙われることがある

健康な成魚のメダカがプレコに襲われることは稀ですが、例外的な状況ではメダカが危険にさらされる可能性があります。

具体的には、稚魚や病気のメダカは狙われることがあるため注意が必要です。

生まれたばかりのメダカの稚魚（針子）は体が非常に小さく弱々しいため、プレコが水底の餌をついばむ際に、誤って吸い込まれてしまうことがあります。

また、プレコは水槽の掃除屋という側面を持っているため、病気で弱って動きの鈍くなったメダカや、すでに死んでいるメダカの死骸を見つけると、それを捕食することがあります。

病気や衰弱した個体は、プレコにとって栄養源として認識されやすいため、特に注意が必要なのです。

混泳を考える場合は、メダカの稚魚や、弱った個体がいないか常に観察することが求められます。

栄養不足で他の魚の体表を舐める行動

プレコは雑食性ですが、藻類や植物質を主食としています。

しかし、動物性タンパク質が不足したり、全体的に栄養不足に陥ると、他の魚の体を舐める（吸い付く）という問題行動をとることがあります。

これは、プレコが他の魚の体表にある粘膜を舐め取ろうとする行動です。

粘膜を剥ぎ取られたメダカはストレスを受け、体表に傷を負ってしまう可能性があります。

最悪の場合、そこから病原菌が侵入し、メダカが衰弱して死んでしまうこともあり得ます。

もし、水槽内でプレコがメダカの体表を舐めている様子が見られた場合は、プレコ専用の植物質中心のタブレット状の餌を与え、餌が足りているか見直す必要があります。

プレコがメダカの卵や稚魚に与える悪影響

前述の通り、メダカの稚魚はプレコに誤って吸い込まれるリスクがありますが、それ以外にも卵に対する悪影響も考慮しておくべきです。

メダカは水草や産卵床に卵を産み付けますが、プレコは底層や水槽の壁面、流木などに付着したコケや餌を探して移動します。

この際、水底近くにあるメダカの卵を、コケや餌と間違えて食べてしまったり、あるいは単に邪魔なものとして吸い込んでしまったりする可能性があります。

また、プレコは臆病なため、流木や土管などの隠れ家を用意することが推奨されますが、メダカの卵がそれらの隠れ家の近くにあると、プレコの活動によって影響を受けやすくなります。

メダカの繁殖を目的としている場合は、プレコとの混泳は避けた方が安全でしょう。

混泳のポイント：プレコの種類と温厚な個体選び

プレコとメダカの混泳を成功させるためには、プレコの種類と個体差を考慮し、温厚な個体を選ぶことが最大のポイントとなります。

混泳に適したプレコの種類

温和な性格の個体が多いプレコですが、大型化する種類の中には縄張り意識が強く、攻撃的になるものもいます。

特に、全長が大きくなるプレコや、気性の荒さが報告されている種類のプレコは、メダカをつついてしまうリスクが高いため混泳には不向きです。

したがって、ブッシープレコやタイガープレコなど、成長しても比較的小型で温和な性格の個体を選ぶことが大切になります。

個体によっても性格に差が出るため、購入する際はなるべく穏やかな様子をしている個体を選ぶと良いでしょう。

プレコがメダカを食べるリスクを避けるための注意点

• 混泳を成功させるための適切な環境整備
• 十分な広さの水槽と隠れ家を用意する
• プレコのエサをメダカが食べる可能性
• 夜間給餌など餌の確保で栄養不足を避ける
• 注意点：攻撃的になる大型プレコを避ける
• プレコがメダカを食べる可能性を考慮したまとめ

プレコがメダカを食べるリスクを最小限に抑え、安全に混泳を楽しむための具体的な対策や注意点について解説します。

混泳を成功させるための適切な環境整備

プレコとメダカの混泳を成功させるためには、水槽内にメダカが安全に暮らせる環境を整えることが非常に大切です。

その環境整備の鍵となるのが、水槽サイズと水温、そしてろ過能力の維持です。

まず、プレコは大きくなる種類が多いため、メダカとの共存を考えると、最低でも30cmキューブ以上の十分な広さがある水槽を用意しましょう。

水槽が広いと、プレコとメダカが互いの生活圏を分けることができ、ストレスを軽減できます。

また、プレコは熱帯魚なので、メダカの好む水温よりやや高めの23〜26℃程度を維持する必要があります。

メダカは幅広い水温に適応しますが、この範囲で安定させることが重要です。さらに、プレコは排泄物が多く水槽の水を汚しやすい魚です。

そのため、強力なろ過システムで水質を安定させることが、混泳の成功には不可欠であると言えます。

十分な広さの水槽と隠れ家を用意する

前述の通り、水槽の広さは混泳の成功に大きく関わりますが、それと並行してプレコのための隠れ家を用意することも重要です。

プレコは臆病な性格をしているため、落ち着ける場所がないとストレスを感じやすくなります。

具体的には、流木や土管などを水槽内に配置することで、プレコが身を隠せる場所を確保してあげましょう。

これにより、プレコが日中に安心して過ごせるようになり、ストレスによる問題行動の発生を抑えることが期待できます。

また、隠れ家がプレコの定位置となることで、メダカとの活動エリアを物理的に分けることができ、互いに干渉する機会を減らすことが可能です。

プレコのエサをメダカが食べる可能性

プレコとメダカを混泳させる際の興味深い現象として、プレコ用の餌をメダカが食べるという報告が多くあります。

これは、プレコ用のタブレット状の沈下性フードが、メダカにも食べやすい形状であることが理由として考えられます。

プレコ用の餌は、水中で長時間形が崩れにくく作られています。

そのため、メダカが水底に沈んだタブレットをゆっくりとつついて食べるのに適しているのです。

これは餌の無駄を減らすというメリットにも繋がります。

しかし、プレコが餌を食べる前にメダカが食べ尽くしてしまうと、プレコの栄養不足を招くことになります。

したがって、プレコが十分に餌を食べられているか観察し、必要に応じて給餌の工夫をする必要があるのです。

夜間給餌など餌の確保で栄養不足を避ける

プレコは主に夜行性であるため、昼間に餌を与えても、メダカなどの他の魚が先に食べてしまい、プレコが餌を食べられないという事態が起こりえます。

栄養不足は、プレコがメダカの体表を舐めるという問題行動の大きな原因となるため、プレコ専用の餌を確実に与える工夫が大切です。

最も有効な対策の一つが夜間の給餌です。

水槽の消灯後、プレコが活発に活動し始める時間帯にプレコ専用の沈下性フードを水槽に投入します。

こうすることで、メダカなどの他の魚に邪魔されず、プレコが落ち着いて餌を食べることが可能になります。

プレコの健康維持と、それに伴うメダカへのリスク回避のためにも、夜間給餌はぜひ取り入れたい方法です。

注意点：攻撃的になる大型プレコを避ける

繰り返しますが、プレコとの混泳で最も重要な注意点の一つは、大型化する種類や気性の荒い個体を避けることです。

セルフィンプレコのように最終的に数十センチにまで成長するプレコは、体格差からメダカを捕食するリスクがゼロではないことに加え、成長するにつれて縄張り意識が強くなり、他の魚に対して攻撃的になる可能性があります。

そのため、メダカの安全を最優先するのであれば、ブッシープレコやタイガープレコといった、小型で温和な種類を選ぶのが得策です。

もし、既に大型プレコを飼育していてメダカとの混泳を検討しているのであれば、水槽のサイズを可能な限り大きくし、隠れ家を豊富に設けるなどの対策が必要となります。

プレコがメダカを食べる可能性を考慮したまとめ

プレコとメダカの混泳は、適切な種類を選び、環境を整えることで十分に楽しむことができます。

しかし、「プレコはメダカを食べる」という不安があるように、リスクは存在します。

• プレコとメダカは生活圏が異なるため混泳は可能である
• 健康な小型プレコがメダカの成魚を直接食べることは極めて稀
• プレコは主に藻類や植物質のものを食べる温和な魚である
• 弱ったメダカや病気の魚、死骸はプレコの捕食対象となることがある
• 生まれたばかりのメダカの稚魚は誤って吸い込まれるリスクがある
• 栄養不足に陥るとプレコがメダカの体表の粘膜を舐めることがある
• 体表を舐められるとメダカはストレスや衰弱で死に至る可能性がある
• 混泳にはブッシープレコなど小型で温和な種類を選ぶべきである
• セルフィンプレコなど大型化し気性が荒い種類は混泳に不向きである
• 混泳を成功させるためには十分な水槽サイズが必要となる
• プレコのために流木や土管などの隠れ家を用意すると良い
• プレコの栄養不足を防ぐために夜間給餌が有効な対策である
• メダカの卵はプレコの活動によって影響を受けたり食べられたりする
• 水質を安定させる強力なろ過システムを導入することが重要となる
• プレコがメダカを食べる可能性を最小限にするには事前の準備が鍵となる