
メダカのお腹に卵が付いたまま泳いでいる姿を見て、「これって大丈夫なの?」「どうして卵を産み付けないのだろう?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
メダカを飼育していてお腹に卵をぶら下げたままのメスを見かけると、何らかのトラブルがあるのではないかと心配になりますよね。
このような状態のまま放置すると、メダカが過抱卵(卵詰まり)を起こしたり、せっかくの卵が食べられてしまったりする原因につながります。
ここでは、メダカがお腹に卵を付いたままになってしまう原因と適切な対処法について解説します。
この記事を読むことで、メダカがお腹に卵を付いたままになることについて以下の点がわかります。
- お腹に卵が付いたままになってしまう原因
- お腹に付いた卵を放置した場合に起こるリスク
- メダカの過抱卵への適切な対処法
- 卵を保護するための具体的な方法
メダカがお腹に卵を付いたまま泳ぐのはなぜ?
メダカがお腹に卵をぶら下げたまま泳いでいる姿を見かけると、どうしてなのだろうと疑問に思う方も多いでしょう。
メダカが産んだ卵が水草などにうまく産み付けられずに、お腹に付いたままになってしまうのにはいくつかの原因が考えられます。
- 産卵場所が不足している原因
- オスが不在の場合の過抱卵
- 過抱卵によるメダカの体調不良
- 卵が白く濁る無精卵について
- 卵に付着している糸の役割
産卵場所が不足している原因

メダカは水草や人工の産卵床に卵を産み付ける習性があります。
産卵場所が不足していると、メスは卵を産み付けることができず、結果としてお腹に卵を抱えたまま泳ぎ続けることになってしまいます。
特に、水槽内に水草が少ない場合や、産卵床を全く入れていない場合にこの問題は起こりやすいです。
産卵床に産みつけられた卵は、親メダカや他のメダカに食べられるリスクから守られ、安全に孵化することができます。
また、産卵床が設置されていても、水槽内のメダカの数に対して産卵床が足りていない場合も、うまく卵を産み付けられないことがあります。
メダカが産卵床を巡ってストレスを感じることも考えられるため、メダカの数に応じて十分な量の産卵床を準備することが大切です。
オスが不在の場合の過抱卵
メスだけで飼育している場合や、オスと相性が悪く交尾がうまくいかない場合、メスは受精しない卵を抱え続けることがあります。
このような状態が長く続くと、メスが卵を排出しにくくなり、過抱卵(卵詰まり)を引き起こす可能性があります。
過抱卵はメダカの命に関わることもあるため、早期の対処が必要になります。
過抱卵の状態を避けるためにも、オスとメスをバランスよく飼育し、適切な繁殖環境を整えることが重要です。
オスとメスの比率は一般的に1対2から3が良いとされています。
しかし、オスがメスを追いかけ回してストレスを与えることもあるため、メダカの様子を観察しながら比率を調整してください。
過抱卵によるメダカの体調不良

過抱卵の状態が進行すると、メダカの体にはさまざまな不調が現れます。
メスのお腹が異常に膨らんだり、動きが鈍くなったり、食欲不振に陥ったりすることがあります。
ひどい場合は、そのまま死んでしまうことも少なくありません。
これは、メダカの体内で卵が腐敗し始めたり、体内の臓器が圧迫されたりすることによって引き起こされます。
過抱卵になったメダカは、通常の状態に比べて非常に弱っているため、他のメダカからの攻撃を受けやすくなる場合もあります。
このため、過抱卵の兆候が見られたら、速やかに適切な対処を施し、メダカを安静にさせることが大切です。
卵が白く濁る無精卵について
メダカの卵には、有精卵と無精卵があります。
有精卵は透明で、卵の中に稚魚の目が確認できます。
一方で、無精卵は白く濁っており、カビが生えやすいという特徴があります。
無精卵が水槽内に放置されると、カビが繁殖し、他の卵やメダカの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
無精卵は孵化することがないため、見つけ次第水槽から取り除くようにしましょう。
有精卵と無精卵の見分けがつきにくい場合は、しばらく様子を見て、白く濁ってきたものを無精卵と判断して除去するようにしてください。
卵に付着している糸の役割
メダカの卵には「付着糸」と呼ばれる粘着性のある糸が付いています。
この糸は、卵が水草や産卵床に絡みつき、固定されるために非常に重要な役割を果たしています。
メスが卵を産み付ける際、この糸が産卵床に絡みつくことで、卵が流されたり、他のメダカに食べられたりするのを防ぎます。
しかし、この付着糸はカビの原因になることもあります。
卵を親メダカから隔離して人工的に孵化させる場合は、付着糸を丁寧に切り離し、卵をばらばらにして管理することで、カビの発生を抑えることができます。
メダカのお腹に卵を付いたままにしない対処法

メダカがお腹に卵を抱えたままになっている状況は、早めの対処が重要です。
メダカを健康な状態に保ち、卵を孵化させるためには、適切な対処法を実践することが大切です。
- 卵の過抱卵への対処法
- 産卵床の設置による対処法
- 隔離による卵の保護
- 卵の生存率を高める卵の取り方
- 塩水浴と水温管理の対処法
- メダカがお腹に卵を付いたままにしないまとめ
卵の過抱卵への対処法
もしメダカが過抱卵の状態になってしまったら、無理に卵を取り除こうとせず、まずはメダカを安静にさせることが重要です。
メダカが弱っている場合は、隔離用の水槽に移して単独で飼育してください。
この時、水温をメダカの産卵に適した25℃以上に保つように加温すると、メダカが卵を産みやすくなる可能性があります。
どうしても産卵しない場合は、綿棒などを使って優しく卵を取り除く方法もありますが、メダカに大きな負担がかかるため、最終手段として検討するようにしましょう。
無理な処置はメダカの命を危険にさらす可能性があります。
産卵床の設置による対処法
メダカがお腹に卵を抱えたままになる主な原因の一つとして、産卵場所の不足が挙げられます。
この問題を解決するには、水槽内に産卵床を設置することが最も効果的な対策です。
産卵床には、ホテイアオイやマツモなどの水草が適しています。
これらの水草はメダカの隠れ家にもなり、一石二鳥の効果が期待できます。
また、市販されている人工産卵床を利用するのも良い方法です。
人工産卵床は水草と比べて手入れがしやすく、卵が付いているかどうかも確認しやすいというメリットがあります。
水槽の環境や飼育しているメダカの数に応じて、適切な産卵床を選び、設置してください。
隔離による卵の保護

メダカが産んだ卵は、親メダカや他のメダカに食べられてしまうことが多々あります。
卵を安全に孵化させ、稚魚を育てたい場合は、卵を親メダカとは別の水槽に隔離することをおすすめします。
産み付けられた水草や産卵床ごと別の容器に移すのが一般的な方法です。
隔離用の容器には、大きめのプリンカップやタッパーなどが利用できます。
この時、水槽の水ごと移動させることで、水質を急激に変化させずに済み、卵への負担を減らすことができます。
隔離した容器に少量のカルキ抜きした水を足し、エアレーションをしてあげると、より孵化率を高めることができるでしょう。
卵の生存率を高める卵の取り方
メダカの卵は、水草や産卵床に付いている場合がほとんどです。
これらを親メダカのいる水槽から取り出して隔離することで、卵の生存率を飛躍的に高められます。
特に、綿棒などを使ってお腹に付いている卵を優しく取り除く方法があります。
しかし、この方法はメダカに大きなストレスを与える可能性があるため、注意して行う必要があります。
より安全な方法としては、卵を産み付けた産卵床ごと別の容器に移すという方法が推奨されます。
産卵床に付着している卵は、親メダカに食べられる可能性を減らすだけでなく、カビの発生を防ぐためにも有効です。
塩水浴と水温管理の対処法
過抱卵で弱ってしまったメダカには、塩水浴が効果的な場合があります。
塩水浴はメダカの体調を整え、回復を促す効果が期待できます。
塩分濃度は水1リットルあたり3gから5g程度が目安で、メダカの状態を見ながら濃度を調整してください。
加えて、水温を適切に管理することも大切です。
メダカが活発に産卵する水温は25℃から28℃とされています。
水温が低いと産卵行動が鈍り、卵を抱えたままになりやすいため、ヒーターなどを使って水温を25℃以上に保つように心がけてください。
メダカがお腹に卵を付いたままにしないまとめ
- メダカが産卵場所に卵を産み付けない原因は産卵床の不足やオスの不在が考えられる
- お腹に卵を抱えたままの状態を放置すると過抱卵(卵詰まり)になるリスクがある
- 過抱卵はメダカの命に関わることもあるため早めの対処が必要
- 有精卵と無精卵の見分け方を理解し、無精卵は取り除くのが基本
- 卵に付着している糸は産卵に重要だがカビの原因にもなる
- 産卵床を水槽内に十分な量設置することで産卵を促せる
- 弱っているメダカは別の容器に隔離して安静にさせる
- 水温を25℃以上に保つことで産卵しやすくなる
- 卵を親に食べられないように別の容器に隔離して保護する
- 隔離した卵は付着糸を丁寧に取り除くことでカビの発生を抑えられる
- 稚魚を育てたい場合は親メダカを別の水槽に戻す
- 塩水浴は過抱卵で弱ったメダカの体調を整える効果が期待できる
- メダカの産卵にはオスとメスのバランスも大切になる



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